2024.08.30
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離職率改善の秘訣!成功事例と実践的な取り組み
組織が健康で持続可能な成長を遂げるためには、離職率の改善が不可欠です。
このブログでは、業界の成功事例をもとにした実践的な離職率を下げる取り組み、1on1の効果的な導入法、効果的なコミュニケーション戦略、離職率を下げる施策、そして独創的な離職防止アイデアに焦点を当てています。
組織文化の改善と共に、従業員が一層輝く環境を築くヒントをお届けします。
1.離職率改善のための基礎知識
「離職防止」とは、リテンションやリテンションマネジメントとも呼ばれ、「retention=保持、維持」といった意味を持ちます。
すなわち、「人材の確保」のためにも、離職率改善は企業にとって重要な課題であり、社員の定着を図ることがこれまで以上に求められるようになってきました。
近年、離職率の改善が益々重要視されるようになった背景として、主に以下の点が挙げられます。
・そもそもの労働人口が減少し、人材確保が難しくなった
・転職が一般的になり、転職へのハードルが下がったことで人材の流出が増えた
・離職率が企業イメージに大きく作用するようになった
・新規採用者の離職率が年々高くなっている
厚生労働省によると、2020年新規大卒就職者の3年以内離職率は、32.3%であり、大卒者の約3割が3年以内に離職する状況が続いています。
優秀な人材の獲得かつ流出防止は最優先事項であり、企業の競争力にも繋がりかねません。
さらには、新卒採用や中途採用の際に、「離職率の低さ」が企業の大きなアピールポイントになっていることも事実です。
では、これらの問題を解決するために、離職率改善の方法を探ることから始めてみましょう。
まずは、離職の原因を把握し、それを改善する対策を実施してみることが大切です。
対策のための主なポイントは以下5つの通りです。
1.社内環境の整備
コミュニケーションを促進し、社員同士の関係や上司との信頼関係を構築できるようにすること
2.労働条件の見直し
給与や労働時間、福利厚生などを見直し、働きやすい職場環境を整えること
3.評価制度の改善
モチベーションが維持されるような公平・適切な評価制度を導入すること
4.教育・研修の充実
社員のスキルアップやキャリア形成をサポートするための研修や教育制度を設けること
5.成長機会の提供
組織内での成長機会や昇進のチャンスを増やし、従業員の自己実現に繋げること
これら5つのポイントを押さえることができていれば、概ねの課題解決は可能です。
ここから、各社員のモチベーション向上や労働環境の改善を図るために、以下のような取り組みを行っていくのが良いでしょう。
(取組み一例)
– 子育て世代にとって働きやすい環境の構築
– 社員の声を日々拾えるようにするための定期的な面談の実施
– 離職率が最も高い若手の離職を防止するための教育・育成施策の見直し
– AIを活用した離職防止ツールの活用
これらの方法を組み合わせ、的確なアプローチを行うことで離職率改善が可能となります。
1-1.離職率改善の必要性とメリット
冒頭に記した通り、離職率改善の目的は、「人材の定着を促進し、組織の安定化を図ること」です。
では、離職率が改善されるとどんな良いことがあるでしょうか?
メリットとして、以下のようなものが挙げられます。
– 採用コストの削減
退職者の採用や研修にかかるコストを抑えることができます。
– 社員のモチベーション向上
定着率が高まることで、社員の働く意欲や生産性も向上します。
– 経営の安定
長期的な視点で人材を確保し、組織が適切に機能することで、企業の経営が安定化します。
– サービス品質の向上
社員がスキルアップし、経験を積むことで、サービスの質が向上し、顧客満足度も上がります。
長期的に見ても、社内の人間関係が安定し、職場環境が向上することで、仕事の質が向上し、業績にも好影響が出ることが理解できますね。
1-2.成功事例に学ぶ業界別離職率低下の取り組み
また、効果的な離職率改善を知るために、各業界別の成功事例を見てみるのも有効です。
各業界での事例は以下の通りです。
<IT業界>
フレックスタイム制度やテレワークなど、柔軟な働き方を導入し、労働環境を改善
➡︎多様な働き方が認められたことで、社員のモチベーションが高まり業績アップに!
<製造業>
労働者の意見を取り入れ、快適な作業環境整備や安全対策の強化を実施
➡︎快適かつ安全性が確保されたことで、一人一人の作業効率が大幅に向上!
<医療・福祉業界>
職員のメンタルヘルスケアやチーム医療など、働きやすさを追求
➡︎ストレス負荷が軽減し、スタッフが活き活きと働ける環境に!
<小売業界>
社員教育や研修制度の充実により、スキルアップやキャリアパス形成を支援
➡︎将来設計が立てやすくなり、個人のスキルアップと長期就労人材の確保に!
<サービス業界>
ワークライフバランスを重視した働き方改革を進め、従業員の働きやすさを向上
➡︎ワークライフバランスが整ったことで、様々な事情を抱える人材が活躍できる人材に!
以上のように、業界別取り組みを参考に、効果的な施策を検討するためには自社に合った離職率改善策を導入することが重要です。
また、自社に合った解決策を探るためには、やはり社員からニーズを得ることが一番でしょう。
そのためには、定期的な面談すなわち「1on1」の実施が得策です。
2.離職率を下げる1on1の力
1on1とは、上司と部下が定期的に行う個別面談のことを指し、コミュニケーションや従業員のモチベーション向上、問題解決など企業にとって多くのメリットがあります。
理由として、1対1でのコミュニケーションの環境が生まれることにより、社員が自分の意見や悩みをオープンに話しやすくなることが挙げられます。
面談時の話題例として、仕事上の課題や人間関係の悩みを相談することが多数を占めるでしょう。
この結果、上司は社員の問題点を把握し、個々に適切な対策やサポートができるようになります。
また、定期的に行われることで、相互理解が深まり、組織内のコミュニケーションが改善されるようになります。
従業員のモチベーションが高まり、業務効率や成果が向上する可能性があります。
組織において重要なポイントは、1on1を適切に実施し続けることで、社員が自己成長を実感し、企業としても人材の定着や業績向上に繋がるという点です。
2-1.1on1の効果と適切な実施方法
次に、1on1の効果を最大限に引き出すためには、適切な実施方法が必要となります。
まず、1on1は予定を立てて定期的に行うことが大切であり、企業が状況に応じて適切な頻度を決める必要があります。
また、事前にアジェンダを準備し、具体的な話題や相談内容を明確にすることで、効果的な議論が可能になります。
1on1では、上司は積極的に質問し、部下の話を聞く姿勢が重要です。
場合によっては、外部の研修やサービスを利用して、1on1のスキルアップを図ることも有効です。
最後に、1on1での話し合いの結果を評価し、部下の成長や問題解決に繋げるフィードバックが必要になります。
組織全体で1on1の効果を実感し、継続的な改善につなげることが大切です。
2-2.1on1を活かしたキャリアパスの構築
1on1は、社員のキャリアパス構築にも大きな力を発揮します。
具体的には、上司と部下が定期的に面談を行うことで、社員の能力やスキル、目標についての理解が深まり、適切なキャリアサポートが可能になります。
1on1では、社員の強みや改善が必要な点について議論し、具体的なアクションプランや育成方法を共同で検討するようにしましょう。
また、社内外の研修や教育制度を活用し、社員のスキルアップや成長を促すことも大切です。
さらに、1on1での進捗確認や達成度評価を通じて、社員が自分のキャリアパスに対する意識を高め、自己成長へのモチベーションを維持することができます。
企業にとって、1on1を活用したキャリアパス構築は、人材育成や定着率向上に繋がる重要な取り組みです。
ここまで、1on1の重要性を解説しましたが、前提として、1on1はあくまでもコミュニケーション促進のための「手段」の一つであることを忘れてはいけません。
1on1の実施を目的にするのではなく、日頃からのコミュニケーションを大切にした上で、適切な人間関係の構築を図ることが重要となります。
3.離職防止にむけたコミュニケーションの最適化
前述の通り、日頃からのコミュニケーションを大切にすることで、適切な人間関係を構築できるようになります。
企業の成功において、コミュニケーションの最適化は重要です。
これには、オープンなコミュニケーションの促進やフィードバック文化の導入が含まれています。最適化されたコミュニケーションは、社員のモチベーション向上や制度改善につながり、離職率の低下や人材の定着に繋がります。
具体的な方法としては、コミュニケーションの場を増やすことや、上司と部下間の距離を縮めることが挙げられます。また、効果的なコミュニケーション環境を構築することで、企業の組織力が向上し、業務効率がアップする恩恵も得ることができます。
3-1.オープンなコミュニケーションの促進
オープンなコミュニケーションの促進は、企業の成長において重要な要素です。
従業員同士の信頼関係を築くことで、意見の交換やアイデアの共有が容易になり、企業全体の問題解決スキルが向上します。
具体的な取り組みとしては、社内イベントの開催やチームビルディングの強化が挙げられます。また、上司が部下に対してアプローチし、意見を交わす機会を増やすことで、離職防止にも繋がります。
3-2.フィードバック文化の導入
フィードバック文化の導入は、社員個々の成長に繋がり、組織全体のパフォーマンス向上に寄与します。定期的に行われるフィードバックは、社員の自己評価を向上させ、仕事へのモチベーションを高めます。
具体的な方法としては、定期的な1対1の面談やパフォーマンス評価システムを導入し、社員同士のフィードバックを促すのが良いでしょう。これにより業務遂行能力が向上し、企業全体の成長につながります。
4.離職を下げる施策―環境整備の重要性
ここまで、施策を考える上でのコミュニケーションの重要性を説明してきましたが、「環境整備」の視点も大切です。
ここでは、ワークライフバランスの整備とスキル開発プログラムの提供という2つの施策を紹介します。これらの施策が社員のモチベーション向上や企業内の環境改善に繋がり、離職率の低下に寄与することが期待されるでしょう。
4-1.ワークライフバランスの整備
ワークライフバランスの整備は、労働環境の改善や社員のストレス軽減につながり、離職率低下に貢献します。まず、労働時間の適正化を図ることが重要です。残業削減のための取り組みやフレックスタイム制度の導入が効果的です。
また、リモートワークやテレワークの導入により柔軟な働き方が可能になり、社員の満足度が向上します。さらに、育児休暇や介護休暇といった福利厚生制度の充実も重要です。
企業内でのコミュニケーションの促進や上司と部下の関係の向上もワークライフバランスに繋がります。定期的な面談や社内イベントの開催が効果的でしょう。
4-2.スキル開発プログラムの提供
スキル開発プログラムの提供により、社員の成長やキャリアアップが促され、離職率の低下に繋がります。研修やセミナーを定期的に開催することでスキル向上が期待できます。
さらに、メンター制度やローテーション制度を導入し、多様な業務を経験させることが重要です。
また、社内に専門のスキル開発担当者を配置し、個々のニーズに対応したサポートが効果的です。自己啓発支援制度を設けたり、外部の専門家を招いて勉強会を開催することも効果的でしょう。
スキル開発プログラムは、社員のモチベーション向上や企業の競争力強化にも繋がるため、積極的に取り組むことが望ましいです。
5.離職を防止するアイデア例
アイデアは企業の成長やイノベーションの原動力であり、そのアイデアを生み出す人材は非常に重要です。しかし、優秀な人材が離職してしまうと、企業は多大な損失を被ります。
そのため、離職防止にもアイデアのある策を講じることが重要です。
これから紹介するクリエイティブな離職防止アイデアは、離職率を改善するための新たな可能性を示しています。他社事例を見ながらアイデアを膨らませていきましょう。
5-1.クリエイティブな離職防止アイデア
従来の離職防止策に加え、新たなアイデアを実践することで、より効果的な結果を得ることができます。
離職防止につながる具体的な取り組みを実行するには、施策の実施で成功している企業の事例から学ぶことが有効です。
以下3つの事例をもとに、各社の取り組みについてご紹介します。
1.残業チケット&ポイント制度の導入で残業時間を削減
アニメーションの企画・制作をしているP社では、残業削減のために「残業チケット」という取り組みを行っています。
この残業チケットは、残業を申請するためのチケットで、月初に10枚ずつ社員に配布されます。ただし、6枚以上使用するとペナルティがあり、使用した枚数に応じて会社独自のポイントが1枚ごとに5ポイント減少します。
ポイントは1日出社するごとに1ポイント貯まり、ポイントの数に応じて、遊園地のチケットなどが当たるサイコロを振ることができます。つまり、7枚以上の残業チケットを使用すると、1週間分のポイントがなくなってしまいます。この仕組みにより、社員はメリハリを持って仕事に取り組むようになり、結果的に6枚以上のチケットを使う社員は減少したそうです。
これにより、残業時間はなんと80%も削減され、社員のモチベーションは大幅に上がり、作業効率がアップしたことが報告されているとのことです。
この制度は、社員の働き方改革とワークライフバランスの向上に効果的な手法として注目されています。
社員は残業時間を減らすことでストレスを軽減し、プライベートな時間を大切にすることができます。さらに、ポイントが当たるサイコロの要素を取り入れることで、モチベーションを高める効果も期待できます。
2.リバースメンタリング制度の導入で人間関係の課題を解決
大手メーカー企業のS社では、2018年にリバースメンタリング制度を導入しています。
リバースメンタリングとは、若手が年長者のメンターとなり、年長者の相談相手や助言者を担う手法のことを指します。
通常年長者が若手の相談相手になることが一般的とされていますが、この手法は「”教える-教わる”の立場逆転」を図り、相互理解を深めることを目的として行っています。
若手社員が社長や執行役員を含めた上司に、メンターとして業務指導や育成を行うことで、若手社員のコミュニケーション力や営業力を向上させ、さらには相互理解を深める画期的な制度として浸透しています。
年齢によるジェネレーションギャップの打破や、育成方法のヒントを得るうえでも効果的な施策と言えるでしょう。
S社では、このリバースメンタリングの取り組みが社員間でも高く評価され、現在ではグローバル展開が進み、異文化コミュニケーションの学びのために、他国のメンターを中心としたマッチングも行われてるとのことです。
3.社外ジョブローテーション制度の導入で業務ミスマッチを防止
スマホアプリ企画開発の最前線に立つ企業D社では、「他社に社員を留学させる」という社外ジョブローテーションを実施しています。
社員に他社へのジョブローテーションを経験させることで、新たな視点から企業の強みや課題を理解し、自身のキャリアを見つめ直す機会を創り出しています。
社内だけでは見つけることのできなかった自社の強みや弱みを俯瞰的に知ることで、改めて自身の仕事の面白さややりがいに気づくきっかけを与える、画期的な取り組みとなっています。
これらのアイデアは、従業員が働きやすい環境を整えることで、自然と離職率が低下することを目指し実施されています。
また、アイデアを実践する際には、従業員の意見や要望を聞くことが最も重要です。
それらを反映した施策を取り入れることで、より効果的な結果が期待できるでしょう。
5-2.従業員エンゲージメントの新たな可能性
ここまで紹介したクリエイティブな離職防止アイデアの重要性は、従業員エンゲージメントの向上にあります。エンゲージメントが高まることで、従業員のモチベーションや生産性が向上し、企業全体の成長が期待できます。新たな可能性を追求することで、さらなる成長やイノベーションを促すことができるでしょう。
6.最後に、
ここまで離職防止策を様々解説してきましたが、現代のビジネス環境は日々変化し、離職率改善を成功させるためには的確な戦略と効果的な実行力が求められます。
しかし、時には自社内の資源や知識だけでは限界を感じることもありますよね。
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